ジョージソロスも愛用したテクニカルチャート
「ソロス・チャート」
昨年夏のリーマン・ショック以降の各国の中央銀行が大量の資金供給を行う中、為替レートの変動を占う際にマネタリーベースの伸び率の差に着目する議論が良く目に付きました。その中で、ソロス・チャートというものがしばしば引用されたのですが、これは一体何なのか分からなかったので調べてみました。
まず、GoogleでSoros chartと英語で検索するとそれらしきものは何も出てきません。そこで、カタカナでソロス・チャートと打ち込んで検索すると
それらしきものが何件かヒットしました。その中には『ジョージ・ソロスが考案した』としているものもありましたが、実際はソロスなどのグローバル・クロのヘッジ・ファンドがアウトライトの為替取引を行うときに2国間のマネタリーベースの差に着目したことから来ているようです。そのベースとなる考え方はシンプルで、『大量供給されるものは希薄化されて安くなる』というものです。
外為オンラインでマネタリーベースとは、別名ハイ・パワード・マネーともいわれ、中央銀行が銀行などの金融機関に供給している資金の総額です。流通している現金通貨と中央銀行の準備預金残高の総額です。民間金融機関による信用創造の基礎となるお金で、中央銀行はマネタリーベースを調節することでマネーサプライをコントロールしています。
リーマンショック後のように民間の信用創造機能が損なわれ、マネーサプライの大幅減少が見込まれる場合は、マネタリーベースを大幅に増やすことでマネーサプライの水準を保つように図るわけです。その結果として自国通貨安になってしまうというのがソロス・チャートの考え方です。
では、実際にどのくらいこの考え方が有効なのか検証してみましょう。日米の数字で確かめてみましょう。マネタリーベースの推移は、日銀とFRBの
データによると以下の通りです。
アマノリーから分析する為替相場
日本が2000年代に先行して増やしましたが2006年以降は平常ペースに戻しています。昨年以降はアメリカが常軌を逸したのではないかと思われるような大量供給を続けているというサイバーエージェントFXが構図が見えます。ここで、ちょっと驚くグラフを見てください。2002−2006年の日本の緩和期を除けばほぼ同じラインに乗っていて、もしUSDJPYが青いラインに鞘寄せしたら1USドル60円割れの可能性もなんて議論も見かけます。では、もっと長い期間で見てみましょう。87年以前はほとんど関連性が見られないですね。では、数値の比率ではなく、伸び率の差で比べてみましょう。なんとなく説明がつく部分もありますが、ほとんど関係なさそうですね。最後に、マネタリーベースの伸び率の差と為替の変化率を比べてみました。